杜氏・蔵日記

発酵の力に魅せられて・・・

こんにちは。

昨日まで暑くて汗をかいていたように思いますが、すっかり秋風が吹くようになりましたね。

みなさんお変わりありませんか?

先週、白扇酒造にも新しい風が吹きました。

立命館大学 食マネジメント学部の学生さんお二人(H君とO君)が、蔵に泊まり込みで製造のお手伝いをしてくださいました!

「蔵の仕事ってどんなことするの?」と思ったそこのあなた!なかなか一般的には体験できないことなので、実際にあなたも体験しているかのような気分で最後まで読んでみてくださいね♪

まず、なぜこのような経緯になったかご紹介しますと・・・、

H君がご家族で当蔵に訪れたことから始まります。

H君のご家族は白扇酒造を扱ってくださる飲食店様に携わっている方です。買い物に訪れてくださった際、弊社の社長と話す機会があり、そこで清酒の伝統的製法の話を聞き、何かに惹かれるような感覚、ピン!っときたそうです。興味を持ってくれたH君に「職場体験もかねて、ぜひ今度製造を手伝いに来てみたら」と社長が何気なく言った一言。この一言によって、同じくH君からの話で興味を持ってくれたO君と共にやってきたのです!

体力と若さみなぎる学生さんたち。

実際に、清酒造りの「櫂入れ」という作業を体験。

「櫂入れ(かいいれ)」とは、清酒を仕込む工程のひとつで、原材料を混ぜるために〈櫂棒〉という長~い棒をもって行います。

「櫂入れ」するタンクの大きさはこんな感じ。

このタンクの底から上へと混ぜ合わせるのです。

さらに、この「櫂入れ」に蒸したての米が入るともっと重い!!米を入れるのも重い!!!腕が棒のようになるのを耐えてひたすら上から下へと混ぜ合わせます。

この時期はちょうど、「芋焼酎」の仕込み用にサツマイモが採れる時期です。白扇酒造の芋焼酎は、地元の農家さんに育ててもらった芋を受け取り、自分たちの手で仕込んでいます。

届いたサツマイモの根と汚れの部分をひたすら、切る切る切る・・・。

山積みになった単純な作業の繰り返しでも、すべては美味しい焼酎が出来上がるためにはかなり重要なのです。疎かには出来ません。

そしてひたすら切った芋を、今度は蒸します。

何杯も何杯も蒸し器の中に入れていきます。これもまた重労働。

蒸しあがったら特別な機械で細かく裁断された芋が仕込みのタンクの中へ。

蒸しあがった芋をこの機会に入れていくのも重たい。蒸しあがった芋が入ったものを「櫂入れ」するのも重たい。とにかく何をするにも力がいるんです!!

学生さんたちが来てくれた3日間。ひたすらこの仕込みを繰り返しでした。

白扇酒造の蔵の特徴である、「年中何かを仕込んでいる蔵」ならではの体験をしていただきました。

ゆっくりと時が流れるイメージのある「蔵仕事」。ゆっくりと発酵を眺めながら、ゆっくりと混ぜ混ぜする・・・そんな風景がよくイメージとして思い浮かびますが、実はひたすら重労働。そして、単純な作業も繰り返しの作業も多い。そんなことまでやらなくちゃいけない?と思うような仕事ももちろんあるでしょう。すべてはお客様に美味しさと安全をお届けするため、いやもっと単純に、「酒」という我が子のような存在を育てている感覚なのかもしれません。

発酵の力、伝統の魅力に惹かれてきてくれた学生さんたち。どんな作業に対しても謙虚さと学ぶ姿勢を持って精いっぱい向き合ってくれました。思ってたのと違うこともあったでしょう。でもその発酵と伝統への「興味」こそがこれからも未来に繋いでいくための大事なエネルギーです。お会い出来たことに感謝いたします!本当にありがとうございました!また遊びに来てね♪

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